艦隊に迅速な能力向上を

レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスは、アジャイルなDevSecOpsを活用し米海軍を最新な状態に保つ

軍事版Speed to Market(市場投入までの時間短縮)」と考えてください。

軍事に関わる機関は民間のテクノロジー企業が使用しているものと同じようなソフトウェア開発手法を採用し、イノベーションやイテレーションを迅速に行っています。それは売上を伸ばすためではなく、かつで人類が経験したことのない速度で迫る攻撃の先を行くためです。す。

「海の真ん中に配備され、備えがない新たな脅威が現れた、ということはあってはなりません」と、誘導ミサイル巡洋艦USSヴィンセンス(CG-49)およびUSSチョーシン(CG-65)の元司令官で、現在は所要・能力担当ディレクターを務めるスティーヴ・ロット元米海軍大佐は言います。

このような「備え」には、イージス戦闘システムに対し能力を迅速に開発、試験、納入することが必須となります。これは、レイセオン・ミサイル&ディフェンスが、アジャイルやDevSecOpsなどのソフトウェア開発手法をクラウド・コンピューティング・アーキテクチャとともに提供している理由のひとつです。

どちらも新たな脅威に迅速に対処するというニーズにこたえるのに役立っています。米海軍は 2020年の夏に産業界に呼びかけ、水上戦闘艦向けにプロトタイプのソフトウェアファクトリ「Forge」を設立しました。

当社がアジャイル手法に移行を開始したのは、10年以上前にズムウォルト級駆逐艦を手掛けた際、拡張性を備えたアジャイルな技術を採用したときでした。それを皮切りにDevSecOpsの手法を習熟させ、AN/SPY-6(V)SPY-6CEC(共同交戦能力)、SM-3迎撃ミサイル、SM-6ミサイルを含む、海軍の他のプログラムにも応用してきました。

このように最新の民間向けソフトウェア開発手法を実践すると同時に、水上戦闘艦のプログラムやミッションで培ってきた専門的技術もForgeに提供します。2018年には、SPY-6レーダーとイージス戦闘システムのバーチャルツインの統合を支援すべく戦闘システムの統合設備を設立しました。この経験は海軍にとって非常に貴重なものとなるでしょう。

スティーヴ・ロット。6つの艦船に務め、USSヴィンセンス(CG-49)やUSSチョーシン(CG-65)を指揮。

スティーヴ・ロット。6つの艦船に務め、USSヴィンセンス(CG-49)やUSSチョーシン(CG-65)を指揮。

迅速なイノベーション

開発プロセスの迅速化は、通常数年かかる開発・統合・試験・納品の一連の流れを、場合によっては数日で可能とすることを目指しています。

レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスのプレジデントであるウェス・クレイマー次のように述べています。「産官のチームは一丸となってデジタルトランスフォーメーションを目指しており、最新鋭の能力をより早く提供しようとしています。今は冷戦時ではありません。もし今日敵側が新しい対艦脅威を明らかにしても、私たちは対処に数年も待っていられないのです」

その代わり、アジャイルやDevSecOpsを活用することで、開発者は基本バージョンの機能を構築し、そこに迅速かつ継続的に改良を加えていくことができます。それは、民間のテクノロジー企業が、スマートフォンやアプリに頻繁に機能を追加するのと、ほぼ変わりはありません。

レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスの海上能力担当社長であるキム・アーンゼンは次のように述べています。「私たちは、ますますソフトウェア・ベースとなりつつある戦場において、艦艇乗組員がその能力を発揮するために必要なすべてを提供するために、緊急に行動しなくてはなりません。目標は、開発から試験、前線で展開している艦隊のシステム・アップデートまでを数日以内に行うことです。野心的ではありますが、決して実現不可能なことではありません」

価値の提供

アーンゼンのチームは、海軍の戦闘システムでの経験や当社自身のクラウド・ネイティブ・アーキテクチャへの変革での経験を提案対応に活かしています。

当社は現行の実務にアジャイル、DevSecOps、クラウド・ネイティブ技術を取り入れており、運用の多くをクラウドコンピューティングに移行しています。

当社のこの経験は、主要な戦闘システム、火器管制、高度なセンサー、次世代エフェクター、システム統合に何十年にもわたって携わってきたことに由来しています。レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスの数十年に渡る経験は、SPY-6の習熟したアジャイル開発の実践による生産性、品質、価格の改良にも現れています。

最新の取組みとして、米空軍「ケッセル・ラン」向けの事業のように、政府主導のアジャイルでDevSecOpsを活かしたソフトウェア開発施設の立上げ・運営にも当社の経験を応用してまいります。事実、レイセオン・テクノロジーズの一部門であるレイセオン・インテリジェンス&スペースは、すでにソフトウェア開発施設の立上げによって、空軍のプラットフォームとシステムを近代化に成功しましたし、レイセオン・ミサイルズ&ディフェンスのエンジニアは「ケッセル・ラン」のサポートに多くの時間を費やしてきました。

米陸軍のLTAMDS(下層防空・ミサイル防衛センサー)プログラムを成功の証として挙げたクレマーは、「私たちは、先進のデジタル技術を専門とする多くの民間企業と提携することで前進し、より良い製品をより早く顧客に提供できるようにしています」と語ります。

LTAMDSにおいては、SPY-6レーダーで確立されたソフトウェアの設計と構造に対し、モジュラー型オープンシステム・アプローチを採用しました。このアプローチは功を奏しました。担当チームは、技術成熟度レベル(TRL6+に認定されたプロトタイプを、お客様から要求されてからわずか半年以内に提供しました。

連携による効率アップ

これらの成功は、レイセオン・ミサイルズ&ディフェンス内の文化にも変化を起こしました。

「デジタルトランスフォーメーションに関しては技術の進歩が語られがちですが、文化的な改革でもあります」とクレマーは言います。「当社では、社員に、幅広いステークホルダーと精力的に連携を取りつつ、ソフトウェアを迅速かつ頻繁にお届けすることを求めています。これは大きな転換であり、簡単にできることとは限りません」

「ケッセル・ラン」の学びを応用しながら、クレマーのチーム、そして、レイセオン・インテリジェンス&スペースは、最善の手法を模索しています。当社は、新しいソフトウェアファクトリにおける空軍との業績を評するCPARS(調達契約者業績評価報告制度)で最高評価を受けています。

「産官のチームメンバーが1つのチーム一丸となり、平等に意見を出しあえること、そして率直なフィードバックと批評を提供できることが重要です」。チームのメンバー全員が最終ゴールを見据え、最前線の兵士たちに、より優れた能力を提供できるよう努めれば、きっと素晴らしいことが起こるはずです」とクレマーは言います。