比類ない、拡張性に優れた防空ミサイル防衛を米艦隊に提供
SPY-6は米海軍のレーダーシリーズです。7艦種において防空ミサイル防衛を行い艦隊の能力を大きく飛躍させています。
SPY-6シリーズは、統合されたレーダーです。つまり、弾道ミサイル、巡航ミサイル、敵の航空機、水上艦艇への同時対処が可能です。
また、大幅に拡大した探知距離、向上された感度、より正確な識別など、従来のレーダーよりも優れた点がいくつもあります。
このレーダーは、SM-3迎撃ミサイルやSM-6ミサイルの全種類を含む海軍の最新兵器を最適化します。
正確な標的情報と飛来する脅威に関するデータにより、兵器の性能を最大限に引き出すことができます。
どのタイプも同じハードウェアとソフトウェアを使用しており、モジュール化された構造であるため、信頼性が高く、メンテナンスコストもより低くなっています。
レーダーモジュラーアセンブリと呼ばれる個別の「ビルディングブロック」で構成されています。
このビルディングブロックとは、一つ一つが単体で作動するレーダーとなっており、縦・横・高さがそれぞれ2フィート(約610㎜)の「箱」に収められております。
これらの「箱」を積み重ねることで、規模を自在に拡張・縮小でき、艦艇ごとの任務、役割、サイズに応じた最適な構成を実現します。これにより、SPY-6は米海軍にとって初の真に拡張可能なレーダーとなります。
SPY-6のアレイは、海軍の最新鋭の艦に順次納入され統合が進められています。対象となるのはUSSジャック・H・ルーカス(DDG 125)を含むフライトIIIミサイル駆逐艦、USSリチャード・M・マクール・ジュニア(LPD 29)といった強襲揚陸艦やドック型輸送揚陸艦、USSジョン・F・ケネディ(CVN 79)のような航空母艦などです。
日本におけるSPY-6のパートナーシップ
レイセオンは日本の産業界との、連綿と続く立派な歴史があり、SPY-6のような現在進行中のプログラムでの協力関係はこれまでになく強いものとなっています。2024年には、三菱電機株式会社と三波工業株式会社が、SPY-6レーダーシリーズ向けの部品供給でレイセオンと提携することに合意しました。これらの企業は米海軍が正式採用した事業に部品を供給するだけでなく、将来的にはあらゆるSPY-6カスタマー向けの米国防衛サプライチェーンにも貢献することになります。
レイセオンにとって、同盟国や技術パートナーと共に生産や維持に取り組むことはとても重要であり、SPY-6レーダーシリーズもその例外ではありません。こうしたパートナーシップを通じて、SPY-6は強固で多様な供給基盤を持つ国際的なプログラムへと発展しています。
日本にとってのSPY-6の利点
海上自衛隊の艦艇に米海軍のプログラム・オブ・レコードであるSPY-6を採用することは、米海軍との相互運用性や装備の相互交換性を可能にするものです。
想定される利点は次のとおりです:
- 運用される艦隊全体でデータ共有が可能となり、対空・ミサイル防衛能力が大幅に向上。
- 米国がすでに確立している訓練体制、サプライチェーン、維持整備面でのシナジー。
- 修理や人員配置の効率化により、イージス艦で必要とされるレーダー技術要員を50%以上削減可能。
- 米国がすでに費用を負担している開発・統合・試験に加え、新たな脅威に備えるため米海軍が進めているシステム最新化への投資。これらを活用できることによるコスト削減。予定されている将来のアップグレードは、日本のコスト削減につながるとともに、日本が変化する脅威の先を行く後押しもします。
- 米海軍と海上自衛隊の結びつきがさらに強まることで、地域における整備拠点の設置が進む可能性があります。整備拠点に関する構想は日米が防衛産業協力を深めるための枠組みである「防衛産業協力・調達・維持(DICAS)」の重要な柱として位置付けられています。同じ防衛ソリューションを採用することで、両国の艦艇に同じ装備が搭載され、相互に整備支援ができるようになります。
SPY-6の詳細
DDG 51フライトIII級駆逐艦用に設計されたSPY-6(V)1の特徴:
- 4面のアレイ(1面あたりRMAは37個)による切れ目のない360°の状況把握
- 今後SPY-6に換装される既存レーダーと比べ、大幅に探知範囲と感度が向上
次の脅威に対し同時対処:
- 弾道ミサイル
- 巡航ミサイル
- 対艦および経空脅威
- ジャミング/クラッタおよび電子戦
強襲揚陸艦およびニミッツ級航空母用に設計されたSPY-6(V)2(別名エンタープライズ対空監視レーダー(回転型)の特徴:
- 1面の回転型アレイ(1面あたりRMAは9個)による切れ目のない360°の状況把握
- 航空交通管制と艦船の自己防御能力
次の脅威に対し同時対処:
- 巡航ミサイル
- 対艦および経空脅威
- ジャミング/クラッタおよび電子戦
フォード級空母およびFFG(X)誘導ミサイル搭載フリゲート艦用に設計されたSPY-6(V)3(別名エンタープライズ航空監視レーダー(固定型))の特徴:
- 3面の固定型アレイ(1面あたりRMAは9個)による切れ目のない360°の状況把握
- 航空交通管制と艦船の自己防御能力
次の脅威に対し同時対処:
- 巡航ミサイル
- 対艦および経空脅威
- ジャミング/クラッタおよび電子戦
DDG 51フライトIIA級駆逐艦用に設計されたSPY-6(V)4の特徴:
- 4面のアレイ(1面あたりRMAは24個)による切れ目のない360°の状況把握
- 今後SPY-6に換装される既存レーダーと比べ、大幅に探知範囲と感度が向上
- SPY-1レーダーと同一サイズで設計されており、艦の構造変更を必要としない円滑なアップグレードが可能
次の脅威に対し同時対処:
- 弾道ミサイル
- 巡航ミサイル
- 対艦および経空脅威
- ジャミング/クラッタおよび電子戦

[ENGLISH] Germany selects Raytheon's SPY-6(V)1 for its F127 frigates
Radar will bring advanced capability to the German Navy





